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『父たちの罪と罰』





 柔道場の壁に古い写真がかかっている。
 そこに写るのは学生時代の親父と伯父貴の二人で、柔道着姿で畳の上に並んで立っている。親父は体が大きく、そのせいで伯父貴がやけに小さく見える。しかし背の高い親父はどこか鬱屈した表情を浮かべていて猫背だ。反対に、伯父貴は得意げな顔でシャンと背筋をのばし、血気盛んな印象を与える。
 写真の二人が見下ろす前で、その息子たちであるオレと従兄弟の弦太もまた、畳の上で、道着姿で向かい合っている。
 オレは親父よりも伯父貴に似て、弦太は体がでかいからうちの親父と似た雰囲気だ。まるで、親子関係が入れ替わっているように見えるだろう。実際、勘違いされることも多いのだ。
 オレたちは礼をして乱取りを始めた。つかみあってもオレは必死で逃げた。まともにやりあって勝てる相手じゃない。弦太は現役で国対に出場することまで決まっていて、オレは三十を過ぎた居酒屋のオヤジなのだから。
 ほんの少し動き回っただけで汗が噴き出してきた。弦太も額に汗をにじませ、オレの目をじっと見つめていた。

 …………………………………………………………………………………………

 今夜の親父は工場からそのまま来たようで作業着姿だった。近寄ると、はっきりと親父の汗の匂いがした。酒臭いのと混じったその匂いに包まれて、オレはとたんに胸を熱くした。畳の上にごろ寝した親父はほんとでかくて、男っぽくて……。
 オレは座敷席にあがるとこに腰かけて、親父の太ももに手をおいた。親父はぴくりと体を震わせたが、それだけだ。だから、オレは手を動かした。作業ズボンの太ももを撫でてしまった。
「よせ」
 思いがけず冷たい声だった。オレはハッとしたが手はあげなかった。太ももの内側にまで手を這わせてやった。親父の手がのびてきて手首をつかんだ。
「よせと言ってる」
 親父が顔をあげてオレを見ていた。その目は酔いのせいか潤んでいた。赤ら顔の親父は最高に男っぽかった。
「悪かったと思うなら……」
「わしとお前は親子なんだぞ」




というわけで、あらためてさわりです。

ゲイ雑誌『ジーメン』四月号(二月下旬発売)から三回連載しています。

「近親相姦小説を書け」という指令をいただいて考えた話になります。

登場人物が割と多めのお話。

近親相姦がテーマなので暗めですが、ユーモアも多少は入っているので、よかったらどうぞ。









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小玉オサム

Author:小玉オサム
ゲイ雑誌各誌に小説を送りつけ続けて、22年。
白髪の目立つ43歳。鼻毛にも白いものを発見! 鼻くその話じゃないよ。

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